「差別化」は狙わない──。
僕はそう考えています。 なぜなら、本質的ではないからです。
そう語るのは、今や日本人なら誰もが使う『LINE』を、日本中に広めた元LINE社長 森川 亮氏です。
もはや今となっては、LINEが無かった時のことを思い出すことの方が難しいですが、、、
当時、LINEが出た頃にはいくつも同じようなメッセンジャーアプリが存在していました。
ところが、実際にLINEがリリースされると、、、
TwitterやFacebookをも上回るスピードで、ユーザー数を増やしていき、たった1年半で1億ユーザーを突破しました。
その立役者となったのが、先ほど紹介した「元LINE社長の森川さん」なのですが、森川さん曰く、商品をヒットさせるために大事なことは「差別化」ではないと言います。
どういうことか?
森川さんの著書から、引用してお伝えします。
===<<著書から引用>>===
「差別化」は狙わない──。
差別化とは他の商品との違いを際立たせることによって、競争優位を生み出そうとすることです。
たしかに、他の商品とまったく違いのない商品に存在意義はありませんし、ヒット商品を調べれば、そこには必ず他の商品との際立った違いを見出すことができるでしょう。
しかし、だからと言って、「差別化を狙う」のが正しいことだとは思えません。
なぜなら、その瞬間に、最も大切な視点を失ってしまうからです。
差別化を考えるとき、僕たちが見ているものは何でしょうか?
ターゲットとしている商品であり、ライバル企業です。そこには、ユーザーがいないのです。つまり、差別化を追求すればするほど、ユーザーが求めていることから離れていってしまう恐れがあるということ。
ユーザーが求めているのは「違い」ではなく「価値」です。自分にとって価値がなければ、どんなに際立った違いがあっても振り向いてはくれないのです。
かつて、Yahoo!や楽天などのポータルサイトが成功を収めたころ、それと似たサービスで後追いをする企業が続々と現れました。いわゆる、ネット・バブルです。しかし、それらのサービスはバブル崩壊とともに、ほとんどが消えてなくなりました。
なぜか?彼らが差別化を狙ったからです。Yahoo!や楽天などの先行者がやっていることとの違いを生み出すために、さらに多くのサービスや機能を付け加えていったのです。
その結果、ユーザーにとってかえってわかりづらく、使いづらいものになってしまった。しかも、一つひとつのサービスのクオリティも低く、アサプデートのスピードも選くなる。結局、ユーザーの支持を得ることはできなかったのです。
しかし、その後、パブル後の脳を越えて成長してきた企業がありました。GoogleやFacebookなどの後発企業です。
彼らは、何をやったのでしょうか?
先行者の最も価値がある部分にフォーカスをして、その価値のみをシンプルに掘り下げていったのです。ご存知のとおり、googleは検索にフォーカスしました。Yahoo!が提供しているサービスのなかで、もっともユーザーが含めているものは検素だと考えたわけです。そして、アルゴリズムを開発することによって、その価値を極限にまで磨き上げた。その結果、彼らは圧倒的な差別化を手に入れたのです。
LINEも同様です。
リリース当時、世界にはLINEに似たサービスはいくらでもありました。企画開発メンバーは、それらをすべて調べ上げました。しかし、差別化は狙いませんでした。それらのサービスの利用状況を見ながら、「スマートフォンのコミュニケーションで、ユーザーが求めている最も順要な価値は何か?」と徹底的に考え扱いたのです。
その結果、テキスト・メッセージ機能にフォーカスして、シンプルにきれだけを磨き上げていったのです。
だから、差別化をしたければ、差別化を狙ってはなりません。
ベンチマークをした商品のなかで、ユーザーにとって最も重要な価値にフォーカスする。そして、その価値をとことん磨き上げる。そのときはじめて、僕たちは真の差別化を生み出すことができるのです。
引用は以上です。
担当業務によって、捉え方は異なると思いますが、ひとつの考え方として共有しておきます。